建設営業のいいところわるいところ
僕が2年半前に新卒で入った会社の話。
俗に大手と言われるような会社だった。このブログに会社名は書かないが、おそらくわかる人にはすぐわかる会社だ。
その会社は集合住宅をメインで建てる会社だった。そのためには、お客さんを探さなければいけないので、実質は営業会社と言われている。過去はスゴイブラック企業だったらしいが、僕が入ったときにはそこまででもなかった。働き方改革やらなんやらがかなり厳しかった時代の話である。
入社して2ヶ月間、泊まり込みの研修があった。しかも、その中に3泊4日の山の中に閉じこもって研修するプログラムもあった。
「管理者養成学校」というモノだった。暇な人は下に動画を張っておくのでみていただきたい。
携帯禁止・パソコン禁止・音楽機器禁止・朝5時起き・夜22時消灯
うろ覚えだが、こんな感じ。
動画を見た人はわかるかもしれないが、相当なキチガイ集団のように見える。
いい経験ではあったが二度と行きたくない。
そんな体育会系研修を2か月やったのちに配属される。
僕の配属先は実家からさほど遠くはなかったが、社宅が用意された。社宅は月7.2万円まで支給されるので、一人暮らしであればほとんどかからなかった。(新卒だけ)
しかも、初任給は29万円ほどという超好待遇。
配属されると、メンターという教育者係のような人が付き、営業に同行してくれたりする。ちなみに、営業というのは個人宅への飛び込み営業である。もし、経験したことある人で今その仕事をしていなかったら、死んでも聞きたくない言葉である
「飛び込み営業」
新卒で入った僕は、根拠のない自信があったがさすがにビビッた。最初は何も知らないのでやるしかないと思い、やっていたのだが1か月・・・2か月・・・と時が経つにつれて、あることに気が付く。
「この仕事、お客さんに嫌われてる仕事だ・・・」
普通に考えれば当たり前だった。一定のエリアを20人前後の営業マンが毎日飛び込み営業をしている。しかも、同業も含めるとそのエリアには100人前後の同じような営業マンがいることになる。
「昨日も来たけど」
「しつこい」
「何回断ったら来なくなるの?」
なんて言葉を1日で10回じゃすまないほど聞いた。その時僕は、「迷惑行為」という感覚になってしまったのだ。
そーゆーのが割り切れる人は全然いいと思う。歩合給も大きいし、僕の支店では半分以上の人が年収1000万円に到達していた。ある意味すごい世界だし、僕にはそれができなかったので辞める決断をした。
先輩たち(平均年齢43歳くらい)からよく言われていた。
「この会社は人生の墓場なんだよ」
と。
最後の最後に腎性の逆転をかけて入る会社だという意味である。実際に先輩たちの中では、事業に失敗したり、多額の借金を抱えている人が多かった。
そんな会社にピカピカの新卒が入ってしまった。何も知らなかった。何もわからなかった。実は少しだけ、後悔している。
こんな僕でも今日を元気に生きている。あなたはもっと出来るはずだ。